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 ←冷泉⇛竜胆 →龍陽君(六条中院 腐向け)
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(R18)神咒神威神楽SS

 ←冷泉⇛竜胆 →龍陽君(六条中院 腐向け)
※元のゲームが18禁のため、18歳未満の方は閲覧ご遠慮下さい。

こんなんだったら面白いのに、という捏造過去話です。
冷泉→竜胆な描写を含みます。

追記からどうぞ。





子供の頃はもっと優しかったような気がする。
五大竜胆紋の次席である、中院冷泉はこめかみに指を当てた。
竜胆という名前が指す通り、その頂点に立つ久雅竜胆鈴鹿に尽く振られ続けている。
だが、自分が子供の頃はあんなにも冷たかっただろうかと考える。
思い出してみれば、今のように避けられるようになったのはあの日から。
自分は何一つ変わっていないと思っているし、それは揺るぐことはない。
何故ならば、この世界の理では自分を疑うことなど有り得ない、間違っているわけがない。
自分は正しく、何よりも尊くて、愛おしい存在である。
自己愛性人格障害。冷泉も含め、ありとあらゆるものがそれである。
ただ一人、竜胆を除いて。



父や兄に怯えていた頃、そう冷泉は記憶していた。
自分が誰かの下にいることが堪らなかった。例えば、よくやったと頭を撫でられるのも不快極まりない。
いつか、殺してやろう。考えて、思って、実行した。
何歳も年上の兄は気狂いで、幼かった彼を抱いた。
人払いは済ましているため、誰も来るわけがない。
愛撫だとか、口吸だとかを強制される。ひたすらの殺意。膨れ上がるのは自明の理。
我慢など出来るわけがない。相手が悪い。自分は正しい。
犯されても兄を慕う自分は素晴らしいなど、唾棄すべき感情。
そうだとも、ただ己が己であるためにすることが悪いわけがない。
腐っても武を重んじる家の人間を殺すのだ、それなりに反抗されると思っていた。
仕損じて、返り討ちにあうことだってあるだろう。

(死んだっていい。おれが他人に屈することなど許されない)

いつものように、自分の肌を暴いていく兄に抱きつく。
大げさに感じた振りをして、甘い声をあげた。変声期前の女のような嬌声。
気狂いめ、おれに触れてくれるな。
小刀を頸動脈目掛けて突き刺した。一発で死ぬわけがない。
身体は火照るのに、頭は氷が当てられているように冷静だった。
いつの間にか、馬乗りになり何度も、何度も首や胸を突き刺していた。
自分の腕や足には抵抗した跡である爪の引っかき傷で、出血している。
だが、それ以上に凄まじい返り血で己は赤く染まっていた。
一人になれた。安心して、気づく。顔にこびり付くのは何だ?ぬるりとした感触。
血、血、鮮血。やっと死に絶えた男の血。

「…ぁ?……うぁああああああ…ッ!」

気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い!
ガリ、と引っ掻く。掻きむしる。自分の肌が傷つくことさえも、分からなくなるほどの衝動。
吐き気がする。塵が、滓が“我”に触れるな。
痛み、疲れ、眠気が頂点に達し冷泉は、気絶するように倒れた。


中院家の跡継ぎが僵れ、そして当主までも食中毒死。
顔の傷は思ったより浅く、今は殆ど目立たないほど癒えてしまった。
残されたのは冷泉ただ一人。度重なった葬儀に気の毒どころか、陰謀めいたものを感じ取る者もいた。
しかし、元服もまだの幼い子供に何が出来るのだろう。
大人達は口々にそう言うと、無理矢理に納得していた。
父親の葬儀。だが、冷泉は雪と雨が混じるみぞれを窓の外から眺めていた。
喪主ではあるものの、どうするかなど分かるはずもないと除け者にされている。

「静かになった」

笑った。声に出してまではいかずとも、確かに哂ったのである。
静かなのがいい。静寂は落ち着く。ため息をついた息が白くなった。

「冷泉殿」

波ひとつ無かった心が揺れた。たかが名前を呼ばれただけなのに。

「ひい様、どうなされましたか?」
「どうかしたと聞きたいのはこっちだ」

久雅竜胆鈴鹿。中院の次期当主と婚姻するはずだった女性―と言うにはまだ発展途上である―。

「殺したのは、おまえなんだろう?」

隠せず、その言葉は刃のように放たれた。思わず、冷泉は口の端が上がってしまう。
確かな根拠があるわけないし、表向きは家族として機能している。
だから、家族を殺すというのは普通、除外される。

「自己防衛、だか知らないがあんな…酷いことを」

かろうじて、誰と分かる状態になるまで滅多刺しにされていた。
殺意がなければそこまでするだろうか。

「酷い。いやはや、困りましたな。我はそのような力があるように思えると」
「思えるとも。天正神道流では百年に一度の逸材と言われているらしいじゃないか」
「まだ、皆伝には至りませぬゆえ。だが、しかし嬉しゅうございます。ひい様の耳にも入っていたとは」

臣下冥利に尽きると、わざとらしく頭を垂れた。
久雅家と中院家は宗家と庶家の関係にあたる。本家と分家のようなものではあるものの、同じ姓を名乗ることはない。
血縁でありながら、主従関係を結んでいる間柄である。
だから、婚姻も当たり前のように行われた。他家に比べて秀真に近い領土を得ている両家。
余計に他家は中院あるいは久雅との結びつきに躍起になる。

「一片も思っていないくせによく言う」
「心外、ですな。我はそんなにも信用なりませぬか?」
「ならないな。六条の方が余程、信じられる」

嫌な笑みだと竜胆は思った。背筋が寒くなるようなものに直面している。
果たして、中院冷泉とはこうまでも嫌な男であっただろうか。

「ほう、それならばあの男に抱かれるつもりですか」
「は、はぁ!?どうして、そうなる!」
「我が嫌だとなると、六条、千種、岩倉もしくはご自分の分家と婚姻を結ぶのが自然かと」

三家が聞けば喜びそうなことだ。選ぶとするなら、まだ六条はマシな方である。
また、久雅の分家と言っても自分と同じくらいの男子はいない。
男子がいるらしい、分家の一つである坂上は高濃度の汚染を受けているため、周りは反対すること必至だろう。
つまり……今まで通りで行けば、冷泉と結婚することになる。

「まあ、今上天皇に見初められれば話は違うでしょうな」

不敬にも取れる言葉を冷泉は容易く吐き出す。
嫌な男なのだ。優秀だが、嫌な男。

「下手人が、抜け抜けと」
「我は我の思うままにしたことを、悔いてはおりませぬ。やっと、我はあなたを愛せる」
「御身等の言う愛など、自己愛だろうが!私は認めない、私は……」

違う。違うと否定する。脆くも見えるその姿に、更に惹かれる。
端的に言えば犯してやりたい。誰よりも輝いて見える彼女。
その美しさに気づいているのは自分だけ。優越感が心を満たす。
兄は阿呆であった。こんなにも素晴らしいものに見向きもしなかった。
彼女を抱いていいのは我だけだ。乱暴で身勝手な渇望。

「どうぞ、気の済むまで否定なされるがいい」
「くっ!触るな」

髪に触れ、そのまま身体を引き寄せた。鼓動が感じられるほど、抱きしめられる。

「何が、違うのですかな。我とあなたには化外ほどの差があると?鬼はどちらなのか言わねば分かりませぬか」
「やめろ…!やめてくれ」

思わず耳をふさぐ竜胆に、喉を震わせて冷泉は嘲笑った。

「我はあなたを女にしたい」

ああ、こんなにも彼女を想う自分はなんて素晴らしい!




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